2026年に廃止予定の約束手形の新たな方法「でんさい」とは
2021年に発表された、2026年の約束手形廃止をご存知でしょうか。
長年に渡って習慣化されてきた約束手形がなぜ廃止されるのか、廃止後はどのような対策が取られるのかなど、疑問はたくさんありますよね。
今回は、約束手形の廃止理由と、対策方法の解説をしていきます。
約束手形が廃止される理由は?
はじめに、約束手形とは一定の要件を満たすと法的効力を持つ証券になる、金銭の支払いを約束する書面のことです。
約束手形が2026年に廃止される原因は、受取側の資金繰り悪化です。
約束手形は支払人、受取人、場合によっては保証人が関与して取引に使用されます。
手形を使用すると、振出日から3ヶ月以上後に入金されることも少なくないため、その間お金を受け取ることができないことが原因で資金繰りが悪化し、倒産につながりやすくなります。
2026年の廃止に伴って、現金化までの時間短縮が図れる現金振込への移行が推奨されていますが、難しい場合は救済措置としてでんさい(電子記録債権)の利用も推奨されています。
でんさいとは、問題点だった手形・指名債権を克服した金銭債権で、「でんさいネット」という専用ネットワーク上で取引先へ支払いを行うことができます。
電子化(でんさい)のメリット
でんさいを使用することで得られるメリットを5つご紹介します。
1. コスト削減
領収書が不要になるため印紙代の削減を図ることができ、取引先への郵送を行う必要がなくなり郵送代もかかりません。
2. 事務負担軽減
支払企業の場合は、手形や小切手の振出作業、郵送作業の負担が軽減されます。
受取企業の場合は、領収書の作成や手形の保管と管理などの作業負担が軽減されます。
3. リスクの低下
現物がないため紛失や盗難の心配がなく、災害にも強いです。
4. 時間短縮
取引先や金融機関、郵便局に行く必要がなくなるため、場所を選ばずに作業可能で尚且つ移動時間の短縮を図ることができます。
5. 資金繰りの円滑化
これは受取企業にのみ当てはまるメリットで、支払期日に自動的に入金されるため資金繰りが滞ることがなくなります。
さらに、電子記録債権は分割して利用が可能になるというメリットもあります。
でんさいへの移行方法
支払企業のでんさいへの移行方法を解説していきます。
1. 体験デモを活用
どれだけのメリットがあるのか、会計システムや支払手続変更の要否などの確認を行います。
その際に金融機関が提供している体験デモを利用するとさらに理解が深まるでしょう。
2. 取引金融機関への相談
専門スタッフの派遣サービスなどを取り扱っている金融機関もあるため、取引金融機関へ相談を行ってみましょう。
3. 導入準備
取引金融機関への申込、事務手続き、管理手順と運用方法の見直し、初期設定までを行うことで導入の準備を進めましょう。
4. 取引先企業へ連絡
受取企業になる取引先の企業への電子記録債権や振込の切替えなどの案内が必要になってきます。
口座情報などの取引に必要な情報を確認しましょう。
まとめ
長年慣れ親しんできた約束手形の廃止は様々な意見があると思いますが、救済措置であるでんさいを使用すると時間短縮であったりペーパーレス化であったりと効果を実感できるようになるでしょう。
2026年までまだ時間はありますが、少しずつ電子化への準備を進めていきましょう。
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