黒字でも倒産することってあるの?
黒字倒産とは?
企業が倒産をする理由は様々です。しかしながら、しっかりと利益を上げているにも関わらず倒産せざる負えない企業が増えているそうです。一見すると矛盾しているように思えますが、現実のビジネスの場では起きている事象です。この項では、その理由や対応策についてお伝えいたします。そもそも黒字倒産とは、企業が利益を得ている状況(黒字)にも関わらず。資金繰りに行き詰ってしまい、経営が続かず、倒産を選ぶことを指します。倒産と聞くと、収入よりも支出が大きい状況(赤字)をイメージしますが、逆のパターンでも倒産してしまうことがあります。混同してしまう言葉として「黒字廃業」というものがあります。これは、黒字であるにも関わらず、後継者がいない等の理由によって、自主的に会社を終了させることを指します。つまり、「黒字倒産」は自らの意思が働いておらず、「黒字廃業」は自らの意思で会社を畳むという点に違いがあります。
なぜ起きるのか?
一見すると倒産する理由は無さそうに思えますが、なぜ倒産してしまうのでしょうか。大きな理由は2つあると言われています。
・資金繰り
特にBtoBビジネスでは、売り上げが立ったとしても、すぐに現金が手元に入るわけではありません。売掛金(請求書払い=製品やサービスを提供した後、一定期間後に支払うことが決められた金額)でビジネスを行っているパターンが多く、一時的にキャッシュが不足してしまうからです。これは、成長期の企業や大きなプロジェクトを抱えている企業に良く起きる事象です。また、短期間に多くの返済を求められるような状況下でも同じように資金繰りに問題が発生します。
・負債の増加
多くの負債を抱えていて、その返済に追われてしまっている場合では、利益が出ていても経営が行き詰ってしまうことがあります。特に、利息の負担が利益を上回ってしまっている場合では黒字にも関わらず倒産してしまうことがあります。以上のように、黒字倒産は経常収益がプラスであったとしても、資金繰り・負債の増加によって現金の流れが滞り、倒産してしまうのです。
発生メカニズムと回避方法
では具体的にどのような状況で黒字倒産が発生するのか、そのメカニズムを、例を使ってご説明します。
あなたはネジ製造企業の社長です。あなたの会社は、注文を受けてから製品を作り始める完全受注型のビジネスモデルを採用しています。製品のクオリティは高く、利益率も確保できているので、順調に黒字経営を続けています。
ある日、大手自動車メーカーから大量の新規オーダーを受注しました。果たして、この受注は受けるべきでしょうか、喜ぶべきでしょうか。ほぼすべての方が「喜ぶべき」と回答するでしょう。しかし、このオーダーのネジを生産する為に、大量の原材料を購入します。また、量が多いので大人数で分担しながら作業を進めます。そうすると、原材料の購入コストと労働コストが発生します。また、人員をこちらの業務に充てているので、他の業務対応が薄くなります。そして、最も大きな問題が支払いサイクルです。支払いサイクルは、業種や業界によって異なりますが、基本的には1~2か月後に入金があります。このタイミングまでに仕入れのコストと従業員への支払いを終えて黒字になっていないと、倒産ということになります。
つまり、売り上げの発生と入金の時間差が黒字倒産の発生メカニズムです。他には、在庫を抱え過ぎたためにおこるキャッシュフローの悪化、売掛金の回収遅延・回収不能なども黒字倒産の理由になります。企業経営を行う上では、利益を上げるだけでなく、キャッシュフローにも目を向けていかないとならないということです。
では、どのように回避したらよいのでしょうか。主な対策は次の様な方法です。
①キャッシュフロー管理
②取引条件の見直し
③在庫管理の最適化
④信用管理
⑤資金調達力の強化
⑥M&Aの活用
まとめ
黒字倒産を避けるためには利益確保だけで無く、キャッシュフローにも目を向けることが重要だとお伝え出来ました。
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