固定資産売却損の計算方法をカンタン解説
会社で保有している固定資産を売るときに発生する売却益と売却損をそれぞれ「固定資産売却益」と「固定資産売却損」と言います。
本日はそのうちの1つ、「固定資産売却損」についてのお話です。
「固定資産売却損」の意味や仕訳方法について例を交えながら解説していきます。
固定資産売却損とは
固定資産売却損とは、車両や建物などの固定資産を売却したときに発生する売上損のことを表したもので、
固定資産を売却した時点で売却価格が取得した際の価格を下回ったときに会計処理上の勘定科目として使用されます。
反対に、売却時に利益を得た場合は、「固定資産売却益」になります。
つまり、
取得価格 > 売却価格 = 固定資産売却損
取得価格 < 売却価格 = 固定資産売却益
の構図が出来上がります。
固定資産は通常、長期保有が見込めるために売却頻度は多くありません。
そのため、固定資産売却損は経常損失ではなく「特別損失」として計上されます。
固定資産売却損の計算方法
固定資産売却損は、固定資産を売却した際に手に入れた収入から、取得価格と売却時の経費を差し引いた値段で求められます。
固定資産売却時の収入 – (取得時の価格 + 経費) < 0
→ 固定資産売却損
固定資産売却時の収入 – (取得時の価格 + 経費) > 0
→ 固定資産売却益
つまり、固定資産売却損の計算式は、
固定資産売却時の収入 – (取得価格 + 経費) = 固定資産売却損
になります。
ただし、固定資産は売却時には取得時よりも劣化しているため、耐用年数に応じた減価償却費を売上原価から差し引く必要があります。
つまり、売却時の帳簿価額を使用します。
実際に計算してみよう!
続いて、仕分け方法について例を挙げながら見ていきましょう。
[購入時は300万円だった車両を現金70万円で売却した。そのときの減価償却費の累計は200万円だった。]
売上損を考えようとすると、通常は 300万円 – 70万円 = 230万円 だと思ってしまいますよね。
ですが、先ほども記述した通り、減価償却費を売上原価から差し引く必要があるのです。
帳簿価額は、固定資産売却時の収入 – 減価償却費の累計 で求められるため、
300万円 – 200万円 = 100万円
となり、100万円が帳簿価額に当てはまります。
この時の売却価格は70万円ですので、
70万円 < 100万円 = 売却価格 < 帳簿価格
だという関係がわかります。
つまり、
固定資産売却時の収入 – (取得時の価格 + 経費) < 0
という構図に当てはめると、
70万円 – 100万円 = -30万円 < 0
となり、30万円の固定資産売却損が発生したとわかりました。
まとめ
固定資産売却損は帳簿価格よりも売却時の価格が下回った際に使用する言葉だということをわかっていただけたでしょうか。
固定資産売却損を求めるためには、減価償却費を使う必要があるなど、難しい箇所が多いように見えますが、
計算式を見てみると工程もそれほど多くなく、単純な計算式だとお分かりいただけたかと思います。
苦手意識を少しでも払拭するお手伝いができていたら幸いです。
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